東洋医学、新千年紀への期待
                                  内科医  納  利 一  (60歳)
 日本東洋医学会の鹿児島県部会が先日、鹿児島市で開催され医師、薬剤師、
鍼灸(しんきゅう)師など県下の会員が一堂に会した。年一回の研究会で八回目。
二千年という節目の年にあたり、医学、医療の過去、現在、未来についても話題
になった。
 「この地球を生命をはぐくむ星として永続させたい」、この人類共通の願いを実現
いていくために、医学、医療はどうあるべきか。
 伝統医学と近代医学を調和させて、人類の永遠を約束する新しい東洋医学へと
改編させなければならない。この作業を東洋医学と西洋医学の両方を学んだ東西
医学者が会員である東洋医学会に期待したい。二千年の歴史を持つ伝統医学だ
と考えるとき、その十分の一の二百年程度の計画を立ててこそ、神髄を損傷しない
本当の新しい東洋医学が誕生するときであろう、という韓国東洋医学会会長、襄元
植氏の意見が紹介された。
 医学部の学生は、まず東洋医学を先に学びその後西洋医学を学ぶことによって、
全人的医療への基礎を身につけることができるであろう。
                2000年(平成12年)2月18日 南日本新聞 「ひろば」 より転載
東洋医学的健康づくりの実践的研究