地 球 的 調 和 時 代 を 「不 戦 の 星」 の 上 に |
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内科医 納 利 一 (68歳) |
世界環境デー真近の日曜日に毎年開かれている「甲突川の集い」の今年の会場が |
甲突川源流の八重棚田館であった。これを記念して棚田の一角に完成した「甲突川 |
健康かけはしの庭」の除幕式が集いの日に合せて、平成20年6月1日に開かれた。 |
棚田から甲突川流域や桜島を一望できるこの庭に立って、人類と地球の未来の理想 |
像を夢想してみた。 |
人類の歴史は戦争の歴史であったとも言えよう。日本的戦国時代を通り抜けた江戸 |
の日本は対外戦争をしない「不戦の国」であった。明治維新は世界的戦国時代に対応 |
するための国づくり。40年目に日露戦争に勝ち、80年目に日米戦争に負けた。再び |
「不戦の国」となって60余年。世界の国々が「不戦の国」となれば世界的江戸時代。 |
さらに人類が地球的調和時代を目指しつつ、宇宙開発や宇宙戦争などしない、と決意 |
すれば地球が生命をはぐくむ「不戦の星」として永続していくであろう。などと。 |
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甲突川健康宣言 |
人の健康は心と体と気の調和。人間の健康は社会の健康、自然の健康すなわち |
地球の健康の中にある。 |
この地球を生物をはぐくむ星として永続させたい。この人類共通の願いの実現を |
目指しつつ、すべての国および国民が共生していく道を求め、さらに、すべての動 |
物や植物が共生する地球的調和時代を築いていく道を歩いていきたい。 |
甲突川の健康は流域の健康のシンボル。森の健康、川の健康、海の健康。 |
水の飲める甲突川を後世に。共生、循環、永続を合言葉に平和で住みよい安定 |
した流域社会づくりを続けていきたい。 |
甲突川が健康になれば、世界中の川が健康になり、地球の健康が実現してい |
くことを期待したい。甲突川の健康から地球の健康を。 |
平成15年6月1日 甲突川の集い |
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甲突川健康かけはしの庭 |
人類共通の願い「この地球を生物をはぐくむ星として永続させたい」の実現を |
目指す甲突川健康宣言が第6回甲突川の集いで採択され、平成16年3月、 |
その碑が鹿児島市立甲南中学校に建立された。 |
第11回甲突川の集いが甲突川水源の森の八重棚田館で開催されるのを |
記念し、本日ここに「甲突川かけはしの庭」を開く。 |
川は森と海のかけはし。人生とは、「かけはし」である。過去・現在・未来の |
かけはし。東西南北、人と人、一人とみんな、人間・社会・自然・地球・宇宙、 |
甲突川上流・中流・下流、甲突川と世界中の川、地域社会と国際社会、 |
現実の世界と理想の世界、この世とあの世のかけはし、などなど。 |
この庭を起点として甲突川健康宣言の理想が時空を超えて実現していく |
ことを祈念する。 |
2008年(平成20年)6月1日 第11回甲突川の集い |
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この文章を2008年(平成20年)6月9日 鹿児島県医師会報に投稿しました。 |
鹿児島県医師会報 第685号 (平成20年7月1日発行)に掲載されました。 |
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甲突川健康かけはしの庭 |
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