認知症へ連携 安心街づくり |
内科医 納 利 一 (65歳) |
「村のはずれの船頭さんは今年六十のおじいさん」と、歌っていたころを思い出す。 |
そのころ子供であった私が現在六十五歳である。まだまだ体は元気なようである。 |
頭が先に正常な働きをしなくなったらどうなるだろうか。無責任な発言や行動が多 |
くなり、自分が信用を失うばかりでなく、世間にも迷惑をかけることになるだろう。 |
痴ほうの進行を遅らせる薬が開発されたため、認知症が早期診断、早期治療 |
すべき普通の病気の一つになった。 |
私自信が認知症と診断されたらどうするだろうか。病気が重くならないうちに社 |
会的責任を伴う仕事はすべてやめる。保護者を一人定め、すべてをその人にま |
かせる。保護者の下で社会的責任のない子供になる。安心して自由に「にどわら |
べ」を演じながら生涯を閉じたいものである。 |
保健、福祉、医療従事者が職域を越えて連携し、認知症になっても安心な街づ |
くりをしていきたいものである。 |
2005年 平成17年9月1日 南日本新聞「ひろば」 より転載 |
むらまちづくり甲突川 |