町づくりの核に「懸け橋の宿」を
                                           内科医  納 利一 (69歳)
 大家族を核に、村のみんなが親せきと友達であった時代がなつかしい。家が小さくなってきた。
四人家族から子供二人が巣立っていけば、夫婦二人になる。年老いて、どちらかが欠ければ、
一人になる。大家族に代わる、健康と安全の核づくりを、どうしていけばよいか。
 小さくなった「血縁」の家を補完して、大家族以上の働きを期待できる「友縁」の宿をつくったら
どうであろうか。一つが成功すれば、次のグループがもっとよいものを、三番目にはさらによいも
のができるであろう。数百年後には、世界中に広がっていることを夢みて「懸け橋の宿」と名づけ
たい。
 遠くの親せきもよいが、近くの他人が友達になろう。友達と共につくり育てる「懸け橋の宿」。わ
が家と「むらまちづくり」の「懸け橋の宿」。小さな「懸け橋の宿」から健康づくり・むらまちづくりが
大きく広がる。
                     2009年(平成21年)4月20日  南日本新聞「ひろば」 より転載
むらまちづくり甲突川