病院とは何か考えてみた |
内科医 納 利 一 68歳 |
鹿児島市立病院の新築移転が計画されている。イヴァン・イリッチの脱病院化社会を |
再読しつつ、病院とは何かを考えてみた。 |
消防署は非常時に備えて、十分な設備と人員をそろえて、日ごろは消火訓練と防火 |
活動を行なっている。もし出来高払いで消火活動に使用した水の量に応じた給与だっ |
たら、どうなるだろうか。 |
病院も消防署と同じように、常日ごろはゆとりをもって診療しながら、医療人の資質の |
向上と次の時代の医療人づくりに多くの時間を注ぐべきであろう。 |
例えばの話しであるが、川の魚の健康のためにと、魚の病院をつくり、高度な医療を |
施し続けたとしたらどうなるだろうか。上流の森に木を植えて、水を健康にすれば、千 |
年後もその魚の子孫が生きている可能性があるだろう。 |
火事は防火、病気は養生と予防。健康づくり、むらまちづくり。 |
2008年 (平成20年) 5月17日 南日本新聞 「ひろば」 より転載 |
医療ひとづくり機構 |
ひとづくり甲突川 |