地球の健康は川の健康から
                                        内科医  納  利 一  (50歳)
 護岸工事が進み、関係当局の努力と市民の協力で清流がよみがえってきつ
つある甲突川。周辺の公園も整備され、市民にとって、いのちの洗濯の場のひ
とつになっている。
 まちの中央を流れる甲突川は鹿児島市のシンボルである。甲突川の健康は
鹿児島市の健康のバロメーターともいえるであろう。
 川はいのちの入れもの。多種多様な動植物のいのちが次々と生まれ、はぐく
まれ、連綿と続いていく健康な川づくりが望まれる。まちもまた同様に私たち人
間のいのちの入れものであるといえよう。
 動植物の種類の豊富さを誇れる川づくり、むらまちづくりを目指すことが人間
の健康、社会の健康、自然の健康、ひいては地球の健康に通じる道のひとつ
であろう。
             1990(平成2)年3月16日 南日本新聞 「ひろば」 より転載
もりづくり甲突川