教育の健康から人類の健康を
                   三方限古典塾への期待
                                                 内科医  納 利一 (67歳)
 教育とは何か、国家とは何かを考えされられる昨今である。病んだ社会に子供たちを適応
させる努力を教育と呼んではなるまい。人類社会の健康を実現し、それを永続させることを
目標に、子供たちにあるべき社会をつくる知恵と勇気を育むことをこれからの教育に期待したい。
教育とは過去を未来に活かすことであると言えよう。
 教育の健康を考える三方限古典塾(別府義昭塾長)が毎月1回第3木曜日の夕刻、甲南中学校で
開かれている。教育現場の若い先生方も参加し、古典に学びつつ、我づくり、人づくり、国づくりを
真剣に考えている。
 修身斉家治国平天下。人づくり、国づくりはまず我づくりから。どう考え、どう生きたら自分の生涯を
健康と言えるであろうか。人生はリレーであろうか、マラソンであろうか。人生は一人で走るマラソン
ではない。人生は太古の昔から現在、現在から未来へと世界中のみんなと共に歩くリレーである。
幕末のリーダー島津斉彬の書に「思無邪」がある。私たち一人一人は自分自身の生涯を思いに
邪(よこしま)が無くまじめに歩けば、それでよいのではなかろうか。「人間まじめに生きれば必ず
報われる」という空気づくりから、自分が健康になり、家庭が健康になり、職場が健康になり
教育の健康から国家が健康になり、世界が健康になり、人類社会が健康に永続していくことを
期待したいものである。
                         ヘルシーニュース64号 (2007年 平成19年5月1日 甲南保健クラブ) より転載