日本社会の病気の原因と治療
                                  内科医    納  利 一  71歳 
 自殺者が多発している。なぜであろうか。
 人の健康は心と体と気の調和。人間の健康は社会の健康、自然の健康すなわち地球の健康
の中にある。
 心身症、神経症、うつ病などの患者が増えている。社会が病気だからではなかろうか。戦後の
日本社会の病気の原因は何か。どう治療すれば社会が健康になり、永続していくであろうか。
考えてみたい。
 家業の時代は家で仕事をし、生活していた。家が事業組織でもあり、生活組織でもあった。
 戦後の日本社会では、事業組織と生活組織が分離して、事業組織は法人化され、だんだん大
きくなっていった。大きくなりすぎた事業組織の中では、事業目的に合わない個人は切り捨てら
れる。個人が安心して生涯働き続けることができる場ではなくなってきた。一方、生活組織の方
は、相続制度が家督相続から均分相続に変わったためもあり、小さくなりすぎて個人が生涯安心
して暮せる場ではなくなってきた。これが戦後の日本社会の病気の原因ではなかろうか。
 この病気を治療するにはどうしたらよいであろうか。個人は有限、組織は永続。生活組織を永続         
させるために法人化して、かつての大家族に代わる「永続的小社会づくり」をはじめたらどうであろ
うか。個人を守る安心の核ができれば、人間が健康になり、社会が健康になり、人間・社会・自然
が調和する人類永続・生物永続の地球的調和時代の到来を期待できるようになるのではなかろ
うか。
 「永続的小社会づくり」、「かけはしの宿」、「共生絆相続」、「社会の健康と永続」、「健康づくり・
むらまちづくり・かけはしづくり」、「われづくり・ひとづくり・かけはしづくり」、「人間・社会・自然の
調和」、「人類永続」、「生物永続」、「地球的調和」、「モットモット病」などをキーワードにインタ
ーネットで検索すると甲突川健康新聞の記事などがヒットする。
 甲南保健クラブのホームページ甲突川健康新聞の掲示板(甲突川健康掲示板)では常時ディ
スカッションしています。御意見をいただくなど、よろしくお育て下さいますようお願いいたします。
 上記の文章を鹿児島県医師会報 平成24年1月号「新春随想」用の原稿として平成23年10月
24日投稿した。 掲載誌が平成24年1月1日付で発行された。
 ライフサイエンス 38(1)平成24年1月 生命科学振興会 発行に転載された。
                       いえづくり甲突川