古典に学び明日を開こう |
内科医 納 利 一 (66歳) |
|
鹿児島市立甲南中学校の校庭の一角に「三方限出身名士顕彰碑」がある。 |
江戸時代の郷中教育の荒田、上之園、高麗の三つの方限が甲南中学の校 |
区にほぼ一致する。ここで育った幕末の青少年たちが明治維新に活躍し、 |
その後の日本の基礎を築いた。 |
この地域での幕末の青少年教育のバックボーンは何であったろうか。甲南 |
中の別府義昭校長は、それは漢文力であったといわれる。西郷隆盛が愛読 |
した人生指南書の「言志四録」や「菜根譚」など中国の古典の精神を教育に |
活用しておられる。中学生がそれを受けとめ、生活態度がよくなり、学力、体 |
力ともに向上している。 |
地域の有志と若い先生方や保護者が発起人となり、次世代に引き継ぐべき |
不易の価値ある古典に学び、明日を開くことを目的とする。「三方限古典塾」 |
が別府先生を塾長にスタートする。地域の教育力が高まることを期待したい。 |
|
2005(平成17)年11月21日 南日本新聞 「ひろば」 より転載 |
|
|
|
|