生命はぐくむ地球人の責任
内科医  納  利 一 (61歳)
 異星人から見た地球はどんな星であろうか。土と水と空気があり、太陽の光を受けて無数の
生物をはぐくみながら生きている星、地球全体が一つの美しい生命体に見えるだろう。
 地球上に共生し続けてきた、動植物の中の一つである人類が約一万年前、他の動物を家畜に
植物を農作物にした。そのとき、人類が地球のがん組織になった。以来人類だけが増え続けた。
産業革命で悪性度を増し、二十世紀には地球を死の星に至らしめる末期がんの様相を呈しはじ
めた。
 ところが一方、交通と通信の発達で、人類が国際会議を開くなど、交流しながら考えはじめた
IT革命で、人類が地球の脳神経組織に変わったといえよう。人類が何を考え、何をするかで、
地球の運命が左右されることになったわけだ。
 私たち地球人の一人ひとりには、地球の脳神経細胞の一つとしての責任がある。「この地球
を、生命をはぐくむ星として永続させたい」 −この人類共通の願いを実現していくために。
2001年 平成13年2月6日 南日本新聞 「ひろば」 より転載
ハイビジョンカメラ(広角)による「地球の出」の撮影映像
ハイビジョンカメラ(望遠)による「地球の入り」の撮影映像
                          地球的調和時代は世界的江戸時代から
                          もりづくり甲突川