医療づくりは医師づくり、「ひとづくり」から  
            医師会傘下の「医療ひとづくり機構」を
                                      内科医   納   利  一 (68歳)
 医療崩壊、病院崩壊などの記事が目に止まる。
 医療が病気なのであろう。
 医療とは何か。医療がなぜ病んでいるのか。健康な医療とはどんな医療か。
どう考えどうすればよいのか。人間とは何か、社会とは何か。自然とは何か。人生とは何か。
健康とは何か。病気とは何か。
 国がリードして、いろいろな改革が実行されてきた。それらがうまくいったと言えないところに
現状があるのであろう。医療だけでなく、教育も病気であると言われている。
 地域社会にとって一番大切な仕事はみんなで次の世代の「ひとづくり」をすることである。
地域社会は命の入れもの、生命のかけはしの場である。貧しくても、そこで生まれ、育てられ、
仕事をし、子供を育て、年老いて死んでいくのに安心であれば、その地域の教育と保健と福祉と
医療はうまくいっていると言えるであろう。
 地域住民の健康と安全と安心を目標に平和で住みよい安定した地域社会づくり(むらまちづくり)
のリーダーを務めるのがその地域に住む医師の務めであろう。
 医療機関は医療の場であると同時に「ひとづくり」の場である。鹿児島県内のすべての医療機関
の責任者は医師である。医師会の傘下に、すべての医師が参加し協力する多種多様な
「医療ひとづくり機構」とでも呼べるものをつくり、あるべき医療づくりのための「ひとづくり」をしてい
けば、現在の医療が健康になり、明日の医療が健康になっていくであろう。
                              2007年 平成19年11月15日 成人病予防第16号 より転載
医療ひとづくり機構
ひとづくり甲突川