| ひろい意味の健康への道を求めて |
| 敬天舎同人 納 利 一 (53歳) |
| 父が亡くなった時ひとの命の有限を実感した。また同級の友人の死に立ちあって人ごと |
| ではないと再認識させられた。有限の人生を無限にする考え方を示し、私たちを安心させ |
| てくれるのが宗教であるようだ。宗教は過去から現在、現在から未来へとバトンタッチされ |
| ていく命の継続を大切に考えているようである。 |
| 職業を通して人々の健康と安全と安心に奉仕していく立場にある私たち医療人も現在の |
| 命を大切にすると共に未来へと続く命をもっと大切にすべきであるような気がしてならない。 |
| 命がけで川をさかのぼり、たくさんの玉子を産んだら自らは死んでいく魚がある。産み落 |
| とされた玉子の中から運よく成魚になれたものがまた玉子を産んで死んでいく。命の継続 |
| のために生まれては死んでいるのが生物であると言えよう。昆虫なども玉子を産んだらま |
| もなく死んでいく。 |
| ひとは子供を産んでからもずいぶん永く生かされている。なぜだろう。父の葬儀のとき、 |
| お坊さんに質問してみた。「魚や昆虫などは自然環境とエサだけで生かされていく。人間 |
| は自然環境と食物に加えて親の恩を食べ、先人の想いを食べなければ生きていけない |
| のです。人類の文化の中で、先人から受けた恩や想いを、生活の知恵を後に続く人々に |
| 伝えるために私たちは生かされているのですよ」と。なるほどと思った。 |
| 二つの死の前後に宗教家の話を聞いたり、宗教書などを読んだりして自分なりに理解 |
| したことを、宗教的な専門語を使わないで表現してみようとした。下記の六つの文章がそ |
| れである。たとえは霊魂不滅の霊魂を「メッセージ」と、神様や仏様などをひっくるめて「 |
| 地球の健康」と表現してみた。 |
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| 希望のメッセージ |
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| あなたの運ぶメッセージ |
| 私の預かるメッセージ |
| 集えば飛び交うメッセージ |
| 私が変り、あなたが変り、みんなが変る |
| 現在は過去と未来にかける橋 |
| 無限に拡がるメッセージ |
| 私が消えても、あなたが消えても |
| 未来を生きる希望のメッセージ |
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| 養生のすすめ |
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| 一に養生、二に養生、三、四が医療で、五にまた養生 |
| 養生で二十年、医療で十年、寿命を延ばして生涯イキイキ天寿まで |
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| 養生は自分のカラダをよく知って |
| 適度な運動、腹八分 |
| ぐっすり眠って、さわやかな朝 |
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| 家庭の健康、職場の健康、目指しつつ |
| 自分のココロを自分で知って、みんなのココロと調和する。 |
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| 人間の健康は社会の健康、自然の健康すなわち地球の健康の中にある。 |
| 今日のイノチに感謝して |
| いつもニコニコ明日への希望 |
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| 隆仁調和 (りゅうじんちょうわ) |
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| ひとはみな自分がかわいいものである。ほめられるとうれしくなり、あなどられると腹が |
| 立つ。気持ちが通じあったとき安心感が広がり、かけがえのない自分を自覚し、お役に |
| 立てたと実感できたとき、ひとは幸福になるものだ。 |
| ひとは一人では生きていけない。相手あっての自分である。顔を合わせてまず「こんに |
| ちは。」あいさつで心を通わせ、心から「おかげさまで、ありがとうございます」と言いまし |
| ょう。相手の話をよく聞いて、相手の美点ををよく見つめ、心から「あなたは偉い」と言い |
| ましょう。そうすれば相手が幸福な気持になり、自分もうれしくなるものだ。そうして幸福 |
| の輪が広がっていくことになるだろう。 |
| 相手をだめだとこきおろし、自分を偉く見せようとするならば、相手はおもしろくなく、自 |
| 分はみじめになるものだ。そうして不幸の輪が広がっていくことになるだろう。 |
| 自分の心を自分で知って、みんなの心と調和する。とらわれない広い心で自由な人生 |
| を楽しみたいものである。とは言え人間関係はむずかしい。相手の立場で、ときどき我が |
| 身を振り返り、心から「すみませんでした」と言いましょう。 |
| 「仁」とは相手を思いやる心。人間関係を健康にする道のこと。「仁を隆んにし和を調え |
| る」。ひとの健康は心と体と気の調和。元気なあなた。元気なわたし。元気な家庭。元気 |
| な職場。健康な地域社会。人間の健康は社会の健康、自然の健康、すなわち地球の健 |
| 康の中にある。この広い意味の健康への道を共に歩いていきたいものである。 |
| この道を「隆仁調和」と名付けたい。 |
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| むらまちづくり |
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| 村や町は私たちの人間の「いのち」の入れもの。むかしむかしあるところにあったかも |
| しれない村よりも、町よりも、もっと住みやすいこれからの地域社会を「むらまち」と呼び |
| たい。お年寄りから赤ちゃんまで、みんなの「いのち」が輝く「むらまち」。人間・社会・自 |
| 然が調和して、共存できる「いのち」の種類が豊富な「むらまち」。 |
| 力を合わせて「むらまちづくり」を目指したい。 |
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| ヘルシープランナーづくり |
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| 人間の健康、社会の健康、自然の健康に計画的に奉仕する、あなたはヘルシープラン |
| ナー。 |
| 地球サミットは画期的な国際会議であった。「この地球を生命を育む星として永続させ |
| たい」という人類共通の目標が確認され、その実現に向けての行動計画が討議された。 |
| 世界的な戦国時代を通り抜けて、これから地球的な調和の時代を築いていくためには、 |
| 私たち一人ひとりはどう考えどう行動したらよいであろうか。 |
| 西洋の精神(自由、平等、博愛)に東洋のこころ(慈悲)を加味していくことで、人間・社 |
| 会・自然が調和する道が開けるのではなかろうか。 |
| 人間の健康、社会の健康、自然の健康に計画的に奉仕していく人をヘルシープランナ |
| ーと呼ぶとすれば、今こそ全人類の一人ひとりがヘルシープランナーになるべきであろう。 |
| そうして、はじめて地球の生命の永続が約束されるのではなかろうか。 |
| 人間の健康、社会の健康、自然の健康に計画的に奉仕する、あなたはヘルシープラン |
| ナー。 |
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| 我 が 生 涯 |
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| 死は我が生涯の完成 |
| 先人の想いに生かされし我が生涯 |
| 我が生涯に宿りし先人の想い |
| 後世の生涯に生きる想いよ永遠に |
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| 19年前、私が53歳の時、敬天舎同人であった父の遺志を継いで父の友人に添削してもらっ |
| て、敬天舎同人に掲載してもらった文章を、本日ここに転載させてもらいたい。 平成5年5月 |
| 発行 敬天舎同人 舎報第13号 より転載 |
| 平成24年10月18日 納 利一 (72歳) |
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| 「敬天舎 四元義隆」をキーワードに検索すると、「敬天舎勉強会 平成11年5月2日 四元義 |
| 隆先生を囲んで。」などがヒットする。 |
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| ひとづくり甲突川 |
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